場合の数
前ページに引き続き組み合わせについて学習します。
今8個のリンゴがある。これをAさん・Bさん・Cさんの3人で分ける時、分け方は何通りか?(1つ1つのリンゴは区別しない)

いきなり問題の傾向が変わったように見えましたか?リンゴを何個ずつ分けるか、という組み合わせの問題ですがどうやってコンビネーションを使ったらいいか一見分からないかと思います。
そこで次のように考えましょう。
1:まず右図のようにリンゴ8個(以下”丸”とする)と
仕切り棒2個を用意します。
2:そしてこの丸と仕切り棒をぐちゃぐちゃに混ぜます。
3:仕切り棒によって区切られた3つの領域のうち
左から順にA・B・Cと割り振ります。
このように考えれば、?で混ぜた結果がどのような結果であったとしてもきちんとA・B・Cに割り振る事ができ、 漏れなく重複なく数えることができています。
参考までに下に丸と仕切り棒を置いて、割り振っている様子の幾つかを乗せておきます。


?の混ぜ方の全パターン数を求めれば、?のステップを踏むことにより全通りの分け方を考慮することができます。一体どれだけの混ぜ方があるのでしょうか?
ここで重要なのは、「混ぜる」と考えるのではなく「10個の四角の中に入れる」と捉えなおすことです。
右図のように10個の四角が並んでいる、という状況をイメージしてみて下さい。そしてこの10個の四角のうち2つを選んで仕切り棒を入れ、のこりの8つに丸を入れる と考えれば、「混ぜる」という操作と同じことができます。
10個の四角のうち2つを選んで仕切り棒を入れるという方法が何通りあるのか、というと… 10C2 通りとなります。
あとは計算すればよく

より45通りが答えです。
あるいは10個の四角のうち8つを選んで丸を入れるという方法が何通りか、と考えても良いです。
このように考えれば… 10C8 通りとなります。これもあとは 計算すればよく

より45通りが答えです。
いずれの結果を見ても、答えは完全に一致していますね。10個の四角のうち8つを選んで丸を入れると考えても 10個の四角のうち2つを選んで仕切り棒を入れると考えても、どちらでも結果は一致するのです。
この手のタイプの問題は非常に有名な問題でして、俗に”丸と仕切り棒の問題”などと呼ばれたりします。 複数存在する物を複数人に分けたりする状況でこの考え方は非常に有効です。他にもいくつか例をみてみます。
クラス代表としてAさん・Bさん・Cさん・Dさんの4人の立候補者がいる。10人の人がこの4人に1票ずつ入れるとき、票の分かれ方は何通りあるか?

10票を4人に分ける、という話なのでこの問題も”丸と仕切り棒の問題”です。
票の数は10票なので、10個の丸を用意します。続いて仕切り棒ですが、今回は4人に分ける、ということなので仕切り棒は3つ必要です。
ここまで分かれば先程と同様に13個の四角のうち3つを選んで仕切り棒を入れるという話になるので 13C3 通りとなります。これもあとは 計算すればよく
13C3 = (13・12・11)÷(3・2・1) = 286(通り)
今11個のリンゴがある。これを4人で分ける時、分け方は何通りか?ただし全員少なくとも1つのリンゴはもらえるものとする。

最初の問題に似ていますが、条件が付け加わっています。全員少なくとも1つのリンゴはもらえるとなっていますが、どのように考えたらいいでしょうか? いきなり丸と仕切り棒の話として考えると、リンゴをもらえない人がでてきます。
おそらく意外な解決策でしょうが、最初から1つずつ配っておけば良いのです。そして残りの11?4=7個 リンゴについて”丸と仕切り棒の問題”として考えれば良いのです。
今回は7個の丸と仕切り棒3つが必要です。
ここまで分かれば先程と同様に10個の四角のうち3つを選んで仕切り棒を入れるという話になるので 10C3 通りとなります。これもあとは 計算すればよく
10C3 = (10・9・8)÷(3・2・1) = 120(通り)
さて”丸と仕切り棒の問題”も慣れてきましたでしょうか?あとは練習問題で慣れて行きましょう。
これにて組み合わせの”丸と仕切り棒の問題”を終了します。この問題は非常に有名な問題ですし、 応用範囲も大きいので、是非使いこなしましょう。