接線を求める

単純なやり方

 冒頭にも述べたように、微分によって得られる恩恵の一つに、接線の傾き簡単に求められるということが 挙げられます。しかし傾きだけ求めたのではおもしろくありません。接線の方程式を求めることはできないのでしょうか?
 答えはYESです。微分と中学数学の知識を使えば、簡単に接線の方程式を求めることができます。

 例えばx=aにおいて関数f(x)の接線の方程式を求めてみましょう。この場合、接線の傾きはf'(a)となります。 傾きさえ分かれば、あとは切片が分かればよいことになります。
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ここで、接線は明らかに(x, y) = (a, f(a))を通るので、 これらを代入することで切片を求めます。
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以上より、接線の方程式は以下のようになります。
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全体像としては以下の図のようになります。
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もう少しスマートなやり方

 上記のようにすれば、接線の方程式は一応求めることができます。しかし、このやり方は少々面倒です。 何が面倒かというと、切片を求めるために方程式を解かなければならないのです。もっと簡単に一発でバシッと 求めることはできないのでしょうか?
 またまた答えはYESです。上で求めた接線の方程式を変形してみましょう。すると以下のように書き換えることができます。
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これを見ると、y-(その関数が通るある点のy座標)=(傾き)×(x-(その関数が通るある点のx座標))という形になっていることが分かります。 (実は一次関数は一般にこの形で書き表すことができます。)つまり最初からこの形に当てはめるように式を立てれば、 これとは別に方程式を解くという面倒な作業を経由しなくて済むのです。

 例としてy=x3-2x2-4x+1のx=3における接線の方程式を求めてみましょう。 まずf(x)=x3-2x2-4x+1とし、f(x)の微分を求めます。
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するとf'(3)の値、つまりx=3における接線の傾きはf'(3)=27-12-4 = 11となります。 ここでf(3)=27-18-12+1=-2となるので、接線の方程式は以下のようになります。
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