極大・極小

微分の更なる使い道

 微分によって得られる導関数は、もとの関数の接線の傾きを表すと説明しました。 ここで一つ考えてみてください。導関数が0になるような点というのは、 つまり接線の傾きが0である点ということになります。それは一体どういう点になるのでしょう? 正解はいくつかありますが、たとえば以下のようなものが挙げられます。

fig4-1.png fig4-2.png

 これを見ると、導関数が0になるような点というのは、もとの関数の最大値もしくは最小値を表している ように見えます。しかし、そうとは限りません。下の図を見てください。

fig4-3.png
 このことから、微分が0になる点はその周囲の点に比べれば大きい(小さい)値を取るが、最大(最小)になるとは 限らないということになります。(もちろん本当に最大(最小)になることもあります。) このように局所的に見ると最大(最小)になる点のことを極大点(極小点)と呼びます。 このように、微分をすることによって極大点・極小点を求めることができます。

 でもちょっと待ってください。導関数が0になれば、極大点か極小点になるといっても、 本当はどっちなのかというのはどうやって見分けるのでしょうか?また、もう一つ問題があります。 実は導関数が0になる場合というのはまだあって、例えば以下のような場合が考えられます。

fig4-4.png
 この場合は極大でも極小でもありません。以上をまとめると、導関数が0になる場合というのは
  1. 極大点
  2. 極小点
  3. どちらでもない
という3パターンに分けられることになります。これらをどうやって見分ければいいのでしょうか?