組み合わせで用いられる重要な性質
前ページで触れた内容とは異なるコンビネーションにおける重要な性質について解説します。
今までの問題などでは気がつくこともなかったと思いますが
という関係が成立します。例えば
2×5C2 = 5×4C1 = 20
2×10C2 = 10×9C1 = 90
3×10C3 = 10×9C2 = 360
などという関係が成立しています。たしかにという関係が成立していますね。
なぜでしょうか?これを考える上でまず次の問題について考えて見てください。
10人の人がいる。この中から3人のグループを作る方法は何通りか?
10人の中から3人を選ぶ組み合わせの問題です。
よって 10C3 通りとなります。 もうこの程度の問題には慣れましたよね?
10人の人がいる。この中から3人のグループを作り、その3人の中から1人の代表を選ぶ方法は何通りか?
まず「3人のグループを作る」のは先ほどと同じで「10人の中から3人を選ぶ組み合わせ」の問題です。
よってここについては 10C3 通りとなります。
次に「3人の中から1人の代表を選ぶ」ということについてですが、「3人の中から1人を選ぶ組み合わせ」の問題です
ここについては 3C1 通りとなります。
よって今回の問題では、これら2つの式を掛け合わせれば良いので
が答えになります。
10人の人がいる。この中から1人の代表を選ぶ方法は何通りか?
10人の中から1人を選ぶ組み合わせの問題です。
よって 10C1 通りとなります。
10人の人がいる。この中から1人の代表を選び、残りの9人の中から2人のグループを作る方法は何通りか?
まず「1人の代表を選ぶ」のは先ほどと同じで「10人の中から1人を選ぶ組み合わせ」の問題です。
よってここについては 10C1 通りとなります。
次に「残りの9人の中から2人のグループを作る方法」ということについてですが、「9人の中から2人を選ぶ組み合わせ」の問題です
ここについては 9C2 通りとなります。
よって今回の問題では、これら2つの式を掛け合わせれば良いので
が答えになります。
さて気がついたでしょうか?今解いた2つの問題はどちらも同じ答えになっています。じつはの 関係になっています。なぜでしょうか?
直観的には右図の通りです。
あたりまえ・・・とも言えますが、
10人の中から3人のグループを作り、そのうち1人を代表に選ぶということをするには
方法1:3人のグループを作り、3人のグループの中から代表を決める
方法2:1人の代表を選び、残りの9人の中から2人のグループを作る
という2種類の方法がありますが、やっていることはどちらも同じです。なので、両者の答えが一致するのは当然の話なのです。
理解を深めるために類題を解いてみましょう。
12人の人がいる。この中から3人のグループを作る方法は何通りか?
12人の中から3人を選ぶ組み合わせの問題です。
よって 12C3 通りとなります。
12人の人がいる。この中から3人のグループを作り、その3人の中から1人の代表を選ぶ方法は何通りか?
まず「3人のグループを作る」のは先ほどと同じで「12人の中から3人を選ぶ組み合わせ」の問題です。
よってここについては 12C3 通りとなります。
次に「3人の中から1人の代表を選ぶ」ということについてですが、「3人の中から1人を選ぶ組み合わせ」の問題です
ここについては 3C1 通りとなります。
よって今回の問題では、これら2つの式を掛け合わせれば良いので
が答えになります。
12人の人がいる。この中から1人の代表を選ぶ方法は何通りか?
12人の中から1人を選ぶ組み合わせの問題です。
よって 12C1 通りとなります。
12人の人がいる。この中から1人の代表を選び、残りの11人の中から2人のグループを作る方法は何通りか?
まず「1人の代表を選ぶ」のは先ほどと同じで「12人の中から1人を選ぶ組み合わせ」の問題です。
よってここについては 12C1 通りとなります。
次に「残りの11人の中から2人のグループを作る方法」ということについてですが、「11人の中から2人を選ぶ組み合わせ」の問題です
ここについては 11C2 通りとなります。
よって今回の問題では、これら2つの式を掛け合わせれば良いので
が答えになります。やはり答えは一致しましたね。
という式だけを見ていると何だかよく分からない式ですが、
n人の中からr人のグループを作り、そのうち1人を代表に選ぶということをするには
方法1:n人の中からr人のグループを作り、そのr人のグループの中から1人の代表を決める
方法2:n人の中から1人の代表を選び、残りの(n-1)人の中から(r-1)人のグループを作る
という2つの方法がありますが、どちらの考え方で計算したところで答えは一致する、というのがこの式の示している内容になります。
別の書き方をするのならば
と書くと分かりやすいのかもしれません。いずれにしても式の示していることは同じです。
一般に教科書などでは
というコンビネーションの式を用いてを証明するのですが、 ここでは割愛致します。
ガリガリ計算して証明するのも大切なのですが、この式の示す”意味”を理解することは出来ません。
n人の中からr人のグループを作り、そのうち1人を代表に選ぶというイメージをくれぐれも忘れないようにしてください。