図形

 図形です.この分野は苦手としている子も多いはずです.
苦手としている子の話は大抵「そんな発想無理です」「頭が悪いのでそんな補助線思いつきません」といった内容が多いです.
要するに自分には幾何に関するポテンシャルがないから解けないと思っているように見受けられます.
確かにこの分野をポテンシャルだけで乗り切るような子もいるのですが,そういうのは稀です.
じゃあどうやって乗り切るか,というと一番は経験です.
というのも,ある程度解いていくと分かるのですが,試験に出てくる幾何の問題は実は殆ど同じ問題ばかりなのです.



 「経験以外に何かコツとかないの?ホントに苦手で・・・」という方もいるでしょう.確かに補助線とかの発想は時に中々高度なものを要求してくる こともありますし,経験だけではキツイ時も確かにあります.その時は確かに熟考したり,他の発想に切り替えることが大事になってきます.その上で使える技術が
   1:図を大きく書くこと
   2:分かった数値などを全部書くこと
です.

 といってもいまいち理由が掴めませんよね?そこで↓にセンター試験で実際に出題された問題の一部を掲載いたします. 上のコツなどは一度無視してもいいので,あなたならどのような図を書きますか?
ここでは実際に出題された問題等は省略しています.あえて”図を書く”部分の問題だけをとりあげました.



2010年センター試験数学1・A問題 第三問
△ABCをAB=3,BC=4,AC=5である直角三角形とする.
(1)△ABCの内接円の中心をOとし,円Oが3辺BC,CA,ABと接する点をそれぞれP,Q,Rとする.
(2)円Oと線分APとの好転のうちPと異なる方をSとする.またSから辺BCへ推薦を下ろし,推薦とBCとの交点をHとする.



      さぁ図を書いてみましょう



















      図は書けましたか?
まずは見直しをしましょう.図が間違っていたら後の問いが全て崩壊することになります.ここだけは必ず文章と照らし合わせて確認するようにしましょう.




















      それでは上の法則と照らし合わせてチェックしてみましょう

注意すべきなのは
   1:図を大きく書くこと
   2:分かった数値などを全部書くこと
です.



  <図形の画像が表示されていません!>     <図形の画像が表示されていません!>  
については一言でいえば図が小さいと発想も小さくなるということです. 自分の書いた図が左のような図になっていませんか?センター試験などでは,ほぼ確実に余白に図を書くことになりますが, 自分自身もかつてそうでしたが多くの学生が余白を使い過ぎないように図を書いています.余白を埋めてしまう勢いで,大きく書いて下さい.最初に書いた図に,後から問題文の指示によって沢山の線や記号や数値を書くことになって 書くスペースがないから書き直す・・・ということがよくあるのですが,効率としてはいまいちです.最初に書いた図で突っ走れるなら,それで解いた方が良いでしょう.そのためには最初から図を大きく書いておくことです.また小さい図で考えると 記入などにミスが多いという,印象です.



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2:については一言でいえば沢山数値がある方が発想の手助けになるということです. 上図では長さだけでなく直角等の情報まで含めて書いています.
また沢山の数値を書き込むためにも が重要になってきます.で小さな図を書いてしまうと,左図のように書き込むのが困難になってきます. この手法の最大のメリットは色々な辺の長さや角度等の数値を見ているうちに2等辺三角形や相似,直角等の情報に気が付けるということです. 困ったら,判明しているありとあらゆる数値を書き込んでみるのも一つの手法です.



 上のコツは今後必ずやるようにして下さい.その上で幾何の問題に対する経験すなわち 多くの種類の問題に触れるということに取り組んでみましょう.

しかし実はそれより前にやるべきことがあります.それは基礎の確認です.これが出来ていないと,何も始まりません.
そういうわけで,次章から基礎分野の確認に入ります.

  基本事項のまとめ 
   ■円周角の定理

   ■円に内接する四角形

   ■接弦定理

   ■方べきの定理

   ■正弦定理

   ■余弦定理

   ■角の2等分線の定理

   ■中線定理