極限
前ページで触れたものは簡単な「lim」の計算ばかりでしたが、より複雑な極限の計算に触れていきます。
特に前のページで触れたlimの問題は「=(イコール)」の意味と同等でした。しかし勘違いして欲しくないのが
「lim」と「=(イコール)」は異なる
ということです。
実際には「lim x->3」と書いてもこれは「x=3」とは大きく異なります。極限とはあくまで「近づける」ということです。
例えば次のような極限の場合いくつになるでしょうか?
ここでは分母が無限に近づいています。
分母が段々大きくなっていくというのは、つまりイメージ的には
0.01 → 0.001 → 0.0001 → 0.00001 → 0.000001 → 0.0000001
というように0.00000...001という数値に近づいていくということです。
つまり、ここでいうような分母が無限大に近づいている数というのは「ゼロ」に 近づいているということです。
よって答えは
となります。
次の例ではどうでしょう?
先ほどと違って今度は分母がマイナスの無限大に近づいていきます。
分母が段々小さく(マイナスの無限大に)なっていくというのは、つまりイメージ的には
-0.01 → -0.001 → -0.0001 → -0.00001 → -0.000001 → -0.0000001
というように-0.00000...001という数値に近づいていくということです。
マイナスが付いていますが、先ほどと同じです。分母がマイナスの無限大に近づいている数というのは「ゼロ」に 近づいているということです。
要するに先ほどはプラスの側からゼロ近づいていたのに対して、今度はマイナスの側からゼロに近づいていきます。
しかしゼロに近づくということは変わりません。
今度は分母がゼロに近づいていくパターンです。
何やら特殊な記述がありますが0+0とは、イメージ的には0+0.00001 ということです。別の言い方をすれば0よりほんの少し大きいまたは正の側からゼロに近づけるということです。
分母が段々正の側からゼロに近づいていくというのは、つまりイメージ的には
1 / 0.01 → 1 / 0.001 → 1 / 0.0001 → 1 / 0.00001 → 1 / 0.000001 → 1 / 0.0000001
すなわち
100 → 1000 → 10000 → 100000 → 1000000 → 10000000
というように100000...000という数値に近づいていくということです。
要するに何に近づいているか(この極限は何か)というと(プラスの)無限大です。
今度も分母がゼロに近づいていくパターンです。
しかし先ほどとの違いである0-0とは、イメージ的には0-0.00001 ということです。別の言い方をすれば0よりほんの少し小さいまたは負の側からゼロに近づけるということです。
分母が段々負の側からゼロに近づいていくというのは、つまりイメージ的には
1 / -0.01 → 1 / -0.001 → 1 / -0.0001 → 1 / -0.00001 → 1 / -0.000001 → 1 / -0.0000001
すなわち
-100 → -1000 → -10000 → -100000 → -1000000 → -10000000
というように-100000...000という数値に近づいていくということです。
要するに何に近づいているか(この極限は何か)というとマイナスの無限大です。
上の2つの問題を比較すると分かるように、0+0と0-0では 結果が異なっています。
0+0ではプラスの無限大に近づきましたが
0-0ではマイナスの無限大に近づきます。
このように極限に何かの数値に近づける、といっても正から近づけるか負から近づけるかで結果が異なることまであるのです。
十分に注意して問題に取り組んでみましょう。
極限の計算には慣れましたでしょうか?極限に何かに近づけることで、無限大に飛んだりゼロに収束したりと様々なことが生じます。 さらには正から近づけるか負から近づけるかで結果が異なることまであるのでよく注意して取り組みましょう。