面積を求める
難解な面積
ある領域の面積を求めたいという欲求は、あらゆる場合で起こります。
それが長方形や円の面積であれば、それらの求め方は高校生ならすでに知っていると思います。
しかし、これがもし以下の図に示すような領域だったらどうでしょう?
こんな面積とても求められる気がしませんよね?
しかし諦めてはいけません。少し考えてみましょう。
まず、図のような面積を表す関数をF(x)とします。
次に、xの値を微小量Δxだけ大きくしてみます。
このとき、図のピンク色で示した部分の面積を考えてみます。
もちろん正確には分かりません。しかし、Δxが非常に小さい値であるとすると、
長方形で大体の面積を近似できるはずです。
具体的には、横がΔx、縦がf(x)となる長方形と大体同じ面積になります。
また、この面積というのはF(x+Δx) - F(x)と表すことができます。
すると以下の式が成立します。
この式を少し変形してみましょう。
どうでしょう。なんだか見覚えのある形になってきたと思いませんか?
そう、これは微分の定義式によく似ています。ここでΔx→0とすれば、
これは完全に微分の定義式そのものです。
さらにこの式の両辺を積分してみましょう。
この式は驚くべきことを表しています。なんと関数f(x)を
積分すると、最初の図に示した部分の面積を表すことになるのです。
これはすごい!
積分には2種類ある
さて、上で示したように、積分には面積を求めるという非常に重大な役割があります。 つまり、積分には2種類あることになります。
- 微分の逆演算としての積分
- 面積を求めるための積分
ここまでの内容ではまだ定積分の説明が不十分なので、次回もう少し話を続けることにします。