積分定数の決定

積分定数は何を決めるか?

 ここでは積分定数がグラフの形に与える影響について考えてみます。 例としてf(x)=3x2 - 2を考えます。これを積分すると F(x)=x3 - 2x + Cとなります。当然積分定数Cが現れますね。 さて、一旦Cは無視して(C=0として)グラフを描いて見ましょう。
fig4-1.png
次に、C=1とした場合のグラフを、さっきのグラフに重ねて描いてみます。
fig4-2.png
さらにC=-2, -1, 0, 1, 2の場合を全て重ねて描いてみます。
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 ここまでくればもうお分かりでしょう。積分定数Cの値が変わると、 グラフが上下に動くことになります。

積分定数を決められる場合

 ここで、関数というものの性質について振り返ってみます。 関数とは「xが決まると、それに対応するyの値がただ一つ決まる」という関係を 表すものでした。これが何を意味するかというと、関数を上下に移動させた場合、 絶対に元の関数と共有点を持たないということです。

 積分の話に戻りましょう。積分を行うと積分定数が現れるため、関数の 上下の位置を定めることはできません。しかし上で述べたように、 二つのことなるCの値に対して関数が共有点を持つことは絶対にありません。  この事実を使うと、ある条件さえ満たせばCの値を決定することができるようになります。 それは、関数が通る点の座標が一つ与えられていることです。xの値に対して一つyの値が 与えられれば、それは必ず関数を一意に決定することになるのです。

 ごちゃごちゃいいましたが、実際に計算するのは簡単です。例えば先ほどの例で、 F(x)が点(2, 3)を通るということが分かれば、y=F(x)に(x,y)=(2,3)を代入し、Cを 求めればよいのです。実際に計算してみましょう。
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 実際に計算するのはたったこれだけの事です。まあ、ここはそれほど重要な 話ではないので、最低限計算だけはできるようにしておきましょう(笑)