二次関数

関数って何?

 二次関数のお話をする前にちょっと考えてみて下さい。あなたは「関数とは何か」と言われて答えられるでしょうか。 教科書的に言えば「あるxに対してただ一つyの値が決まるとき、yはxの関数であるという。」が正解ですが、この言葉の意味を一度しっかり考えてみましょう。

 ポイントは「ただ一つ」というところです。つまり、あるxに対してyが2つとか3つでてきてしまうようなものは関数とは言いません。身近なもので言えば円なんかがそうです。 それに対して、ここで扱う二次関数は、xが決まるとyがきっちり一つだけ決まるので、まさしくyはxの関数と言えます。まずはこの違いをしっかり押さえておきましょう。

二次関数と円の違い

二次関数の平行移動

 さて、堅苦しい話はこれくらいにして、さっそくグラフの移動についての話をしましょう。グラフの移動の仕方にはいろいろありますが、 ここではまず平行移動について説明します。 平行移動には2種類あります。x軸方向の移動y軸方向の移動です。まずは簡単なy軸方向の移動から見ていきましょう。


 y軸方向にグラフが移動するってどういうことでしょう?たとえばy=2x2のグラフを上に3だけ移動したグラフを考えてみます。 これを見ると、移動した後のグラフは 全ての点においてyの値が3だけ大きくなっていることが分かります。ということは、もとの式に対して単純に3を足せばいいことが分かります。 つまり移動したあとのグラフを表わす式は
fm1
となるだけです。これ以上複雑に考える必要もありません。
ようするに、一般にy=ax2のグラフがy軸方向にグラフがpだけ移動するとき、移動した後のグラフは
fm2
と書ける、ということです。


 それでは、問題のx軸方向の移動について説明していきましょう。こういう複雑なものはまず先に結果から見ていくのが良いでしょう。ということで、 例として以下にy=2xをx軸方向に3だけ平行移動した式を示してみます。
fm3
なんとも奇妙な形をしています。何が奇妙って、今は正の方向に動かしたはずなのにマイナスがついているというのは初めて見た人にとってはなんとも理解しがたいところでしょう。

 しかしこれは実は当然のことなのです。例えばyが0になるときのxの値について考えてみて下さい。y=2xの場合、yが0になるのは当然 x=0のときです。では、この関数のグラフをx軸方向に3だけ平行移動させてできる関数でyが0になるのは、一体xがいくつのときでしょうか。これは図を見れば 一目瞭然でx=3のときです。x軸方向に3だけ平行移動したのだから当たり前です。グラフがこうなっている以上、式の上でも同じくx=3のときにyが0になっていなければおかしいです。なので先ほど示した通りの式になるのです。
x方向に3移動

・・・いやいやいやいや、これで納得してしまってはいけません。今はあくまでyが0になるときのxの値についてのみ議論をしただけであって、その他のxとyについては何も述べていないのです。 しかし、同じように考えれば、どの点で考えてもすぐに同じ結論に行き着きます。たとえばx=1のときy=2となるが、平行移動した後では、 同じくy=2になるためにはx=4となる必要があるでしょう。 つまり式の上でもx=4のときにy=2となっている必要があるので、やはりさっき得た結論と同じ式でよさそうです。少々ややこしいでしょうか? 分からなければ、実際にグラフを書いてみるなどして確かめてみましょう。

ここまでの議論の結果を式にまとめると以下のようになります。

  二次関数の平行移動 
y = a x2をx軸方向にp、y軸方向にq移動させた関数は
fm4